ファースト第1話「お前とやりたい」
ファーストシーズン1話「悪魔の罠 Pilot」の萌え日記を書くことにしたのはいいのですが…
複数の要素がよく絡み合ったエピソードだなあと思いました。
まずメタプロットの開始エピソード。
次に、ドラマの1エピソードとして独立した民間伝承ネタ。
それ以外に主人公である兄弟のキャラクターを表現するための小ねたエピソードがあり、腐女子をひきつけるための萌えポイントが死ぬほどちりばめられていて、こうして胸打たれたポイントを書き上げてみることで、精密に作りこまれたお話だったんだなあと感心してしまいました。
この第1話から、世にも超不自然な兄弟の物語が始まります。
以下、ファーストシーズン第1話の完全ネタバレ日記です。画像も何もなく延々と萌えポイントの羅列が続きます。まだご覧になっていない方はもちろん、他人の萌えなど興味は無いと仰る方も、どうぞスルーしてくださいませ。
■ディーンの責任感の源
ブログに萌え記録を書くために何度目かの鑑賞をしました。
かつて私の友人は大変な『タイタニック』ファンでした。映画館に何度足を運んだか知れません。
その友人は冒頭にタイタニック号が出てくるだけで涙が止まらなくなるほどだったそうです。
そのときは「アホやなー」と思っていましたが、アホは私でした。
第1話が始まり、4歳のディーンが無邪気にパパの腕に飛び込むシーンで涙腺が決壊してしまいます。
開始何秒の世界です。
だって普通の子でいられるのはこれが最後だということがわかってるんですもの!
そしてウィンチェスター一家の運命を闇に追いやるあの火事が起こり、小さなディーンの腕にもっと小さな弟が託されます。
John: Take your brother outside as fast as you can! Don’t look back! Now Dean, go!
パパのこの言葉はシーズン1ではほぼ全てのストーリーの冒頭に挿入されます。そのわけは簡単です。パパから弟を託された、火事から救い出したこの経験が、ディーンという人を作り上げる上での礎になっているからでしょう。これは後のエピソードでディーンその人が語るところとなります。
お話は22年後にすっ飛びます。
飛びすぎだよクリプキ。
数秒で過ぎ去った22年間については、こと火事の直後のことはオフィシャルサイトにあるジョンの手記やコミックSupernatural Origins(私も勝手にレビューを書いていますが)に詳しいです。またSN本編でも時々触れられることになります。どのエピソードも胸がきゅんきゅんしてしまいます。
■「お前とやりたい」
22年後のスタンフォード大学。家族とはなれて大学に通うサムのもとをお兄ちゃんのディーンが訪れます。訪れるといっても不法侵入です。今になって考えれば、侵入時にサムが目を覚ますほどの物音を立てたのは意図してのことだったのかもしれません。実際ジェシカが起きてきたのはその後の騒ぎを聞きつけてですしね。
数年間の別離があって、電話をしても出ないような絶縁状態だったのにも関わらず、ディーンのget off meに従って単に馬乗り状態から離れるのではなく、ほぼ無意識に手を貸して体を引き上げてやるサム。二人の兄弟の絆は魂レベルで出来上がってるんだなあと思わされる1シーンです。
Sam: Dean, what the hell are you doing here?
Dean: Well I was looking for a beer.
Sam: What the hell are you doing here?
サム:何しにきたんだよ。
ディーン:ビールを探しにさ。
サム:何しにきたのか聞いてるんだ。
このやりとり。
まじめな質問をこうやってはぐらかすのはディーンの癖。
なんだって冗談にしないと生きていけなかった彼の心が作った防護壁なのかもしれません。
ジェシカに対しての台詞も笑えます。
Dean: {Acknowledging the nightshirt Jess is wearing} I love the Smurfs. You know I gotta tell you, you are completely out of my brother’s league.
ディーン:(ジェシカのパジャマについて)スマーフ好きなんだよな。正直、君は弟には勿体無い。
美人を目の前にして脊髄反射でナンパの第一文句を発しています。弟の同棲相手にですよ。ディーンの習性なのでしょうか。
そして例の、毎回のオープニングを飾る台詞「Dad’s on a hunting trip and he hasn’t been home in a few days.(親父が狩りに出た。もう何日も戻ってこない。)」を言って弟を連れ出すことに成功します。
ここからのシーンは興味深いのです。
クローゼットに何かいると怖がった9歳のサムにパパが銃を渡したことがわかったり。
それを異常だと感じられる一般感覚のあるサムと、異常だと感じることが異常だと思っている、生まれながらのハンター気質のディーンの対比があったり。
大学に行くのをパパが猛反対していたことがわかったり。
海兵隊上がりのパパが子どもたちを戦士のように育てていたことが判明したり。
ふざけるな! 大声だせ! タマ落としたか!
口でクソをたれる前と後にサーと言え!
とか教育されていたのかと思うとなんだか。ともかくも、「サー」だけは言わせてますから、あながち全てが妄想というわけでもない気がします。
そしてお兄ちゃんがキュートでアンニュイな表情で言った「お前とやりたい」に負けて(「Yeah... but I don't want to (do this alone)」をこう訳した字幕職人は狙ってるとしか思えません)、サムはパパ何を追っていたのかと訊ねます。
待っていましたとばかりにトランクを開け、調べたプリントアウト資料を次々に手渡すディーン。留守電のメッセージをスロー再生して怪しい部分だけ取り出したりするディーン。
セカンドシーズンを観終えた目からすると、なんだディーンもテクノロジー使いこなせてるんじゃんと思わずにいられません。後のエピソードでそういうものに疎くなってるのは、テクノロジーの申し子(akaオタク)の弟への依存を示しているのでしょうか。
そしてサムは、月曜日に帰れるなら付き合うよと提案します。そんなのさぼっちまえよ、とディーン。この条件がダメなら僕は行かないよ、どうする?とサム。
このときのディーンの表情は何ともいえません。
ディーンがこういう表情をするとき、どこを見るともなく目を泳がせ微笑むでもなく口元をきゅっと結ぶとき、心の中は決して穏やかではないのです。可哀想なディーン。数年ぶりに大好きな弟と一緒にいれると思ったら、ほんのちょっぴりの時間なのですもの。
■「サミー」
荷造りをして出かけた二人。
翌朝ガソリンスタンドのシーンで、「食べるのが大好きなディーン」のモチーフが早くも登場しています。ナッツバーか何かを口にくわえ、袋菓子とジュースを持って「Hey, you wanna breakfast?」ときたもんです。
お兄ちゃんそれは朝ごはんにならないよ。
ウィンチェスター一家がクレジットカード詐欺で日常をまかなっていることがわかるのもこのシーンです。狩りってのは野球選手みたいに儲かるもんじゃないからな、とディーンはサムの非難を軽く流していますが、何もかもを投げ出して人を救い続けても見返りのない苦労はやがてセカンドシーズンのディーンを蝕む悩みになるのです。
そしてみんなの大好きな名シーン!
Dean: House rules, Sammy. Driver picks the music, shotgun shuts his cake hole.
Sam: You know Sammy is a chubby 12 year old. It’s Sam, okay?
Dean: I’m sorry, I can’t hear you. The music’s too loud.
ディーン:家の決まりだ、サミー。BGMは運転手が決める。助手席はすっこんでろ。
サム:サミーってのは12歳の丸ぽちゃのことだよ。僕はサム。いいね?
ディーン:悪いな、音楽がうるさくて聞こえねえ。
吹き替えでは「悪いなサミー」と敢えて繰り返し弟が嫌がる名前で呼んでます。これは吹き替えがナイス!
きっと思春期ごろに「サミー」って呼ばれるのを嫌がり始めたんでしょうね。子ども扱いの象徴として。そういえばサムは「サミュエル」が正しい名前なのですが、その名前で呼ばれることは少なくとも今まで一度もなかったように思います。かっこいいのにね、サミュエル。
AC/DCの「Back in Black」でビートを刻みながらインパラを駆るディーン。途中で警察がなにやら捜査しているのを見て車を止めます。やおら、慣れた手つきで収納スペースから取り出した箱をサムが覗き込むと、出てくるわ出てくるわ、ディーンの顔写真で偽造した身分証明証の束。仮にも弁護士の卵であるサムはあいた口がふさがりませんが、お兄ちゃんは得意顔です。
FBIと身分を偽って現場の警察官に状況説明を求めるディーン(しかも偉そうに!)。しかし結局何もつかんでない事を知ると二人は立ち去ります。立ち去り際に本物がFBIと黄色くプリントされたジャケットを着て現れたとき、彼らに聞こえないようにこうつぶやくのです。
Dean: Agent Mulder, Agent Scully.
モルダー捜査官にスカリー捜査官。Xファイルです。ディーンはハードロックだけでなく、テレビドラマや映画が大好きなのです。偽名を名乗るときもロックアーティストや映画の出演者、登場人物の名前を使うことがあるようです。
■トムとジェリー、モルダーとスカリー、
■ボニーとクライド、サムとディーン。
失踪した男の彼女から聞いた噂話から見事に事件の核心に近づく二人。偽造IDで乗り込んだ現場付近で女性の自殺があったことを知り、警察の去った夜中に(よりによって夜中に)偵察に行きます。ここで月曜日には戻らないと…とサムに念を押されるディーン。忘れてた、といいますが、忘れてなんかなかったことは見え見えです。一生懸命そのことに触れないようにしてきたんでしょう。
弁護士になって彼女と結婚する、親父の聖戦はもうまっぴらだ、母さんは死んだ、戻ってこないもののために生涯をかけるなんて・・・となんだか聞いていて至極当たり前のサムの言葉に、しかしディーンは切れます。家族を盲目的に大事に思うディーンのことですから(これもまた涙を誘うのですが)無理もないことだったのでしょう。
その後二人はインパラに追いかけられて橋から飛び降ります。お兄ちゃんが川に流されたと思ったサムの、ディーンの「I'm super」との声を聞いたときにこぼれた笑顔と驚嘆の声といったら。お兄ちゃんイカス!と思ったのでしょうね。
泥の滴るお兄ちゃんがインパラのボンネットに腰掛けると弟も横に座ります。男前でクリーンな弟、下水臭い泥にまみれたお兄ちゃん、こんな二人が並んでもディーンが決して見劣りしないのがステキです。
とりあえずモーテルに入った二人を驚かせたのは、パパが一か月分のルームチャージを前払いして宿泊していたこと。
生まれたときから不思議なものを目にし続けてきた二人をして「わお」と言わせたパパの部屋は、その後立ち入った警察には連続殺人犯のものにしか見えなかったことでしょう。壁一面に事件関連の記事や書き付けを張ってあるのです。
後に機械音痴と判明するパパはコンピュータを使うことなんか当然できませんから、こうやって紙を貼り付ける方法しかなかったのでしょう。
家族のことを悪く言ってごめん、と冷静になったサムが謝ります。お涙頂戴はごめんだぜとディーン。この二人はハグしたりするかわりに悪態を突きあうのが流儀なのです。二人はお決まりのJerk, Bitchのやりとりをします。こんな初期からJerk, Bitchがあったのは実は知りませんでした。
この怪しげな部屋に入った二人を警察が捕まえにきます。朝食を買いに出たディーンは瞬時にそれを察し、弟に逃げるようにとだけ電話をして一人捕まります。そして弟が匿名の通報をして署内を空っぽにしてくれたスキに、パパの手帳を奪取して脱出。阿吽の呼吸です。
白いドレスの女が車に乗り込んできたときは、今度はお兄ちゃんが(徒歩なのにですよ)ジャストインタイムで駆けつけて弟のピンチを救います。白いドレスの女の痴漢行為にキレたサムはインパラごと家の中へ突っ込みます。命の次に大事にしてるインパラをボロ家に突っ込まれて、お兄ちゃんキレるかと思ったのですが、どうやら順位はサムが一番のようで、まずはサムを気遣いました。お兄ちゃんが車に言及したのは除霊が終わってからのことです。
Dean: If you screwed up my car, I’ll kill you.
ディーン:車に傷でもつけてみろ。殺すからな。
あんだけハデに突っ込んで傷もへこみも無いなんてことはないのでしょうけれど。アメ車って丈夫だから平気だったのかもしれませんが、個人的には、傷もへこみもいっぱいついちゃった車を目の前にこの台詞をはくことで、サムの安全をよろこんでいたのかもしれないなと思いました。
■別離
大好きな弟との楽しかった時間は過ぎました。帰途に着く車の中で次の目的地の話を振りますが、サムはやっぱり日常生活に戻ることに。ディーンは涙をこらえるような複雑な顔になります。
可哀想なお兄ちゃん。
ロックでも聴かずにはおれなかったことでしょう。
サムの家の前でも別れを惜しみまくり、あの感情を抑えるときの表情で車を出しました。
なつかしの我が家、日常へと戻ったサムを襲ったのは、天井に磔にされたジェシカでした。ママのときと同じように炎が噴き出しますが、サムは叫ぶことしか出来ません。それを助けたのはディーンでした。ウィンチェスタースタイルで扉を蹴り開け、我を忘れて叫ぶサムを燃え盛る寝室から、抱えるようにして追い出します。
消防車とパトカーのライトで赤に青に照らされるサムの顔を、かわいいどんぐりまなこで心配そうに見やるディーン。
サム、トランクの散弾銃に弾込めたりしてますが暴発しないのか心配になってしまうのは素人だからですねそうですね。
| 固定リンク
「Supernatural」カテゴリの記事
- 第8話「兄弟ですってば」(2008.02.25)
- ファースト第2話 「you want some white meat, bitch!?」(2007.10.27)
- ファースト第1話「お前とやりたい」(2007.10.17)

コメント